Wake Up, Girls!を忘れない

2019年2月23、24日、Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME -仙台公演で初めてWUGちゃんの全力のライブを正面からまともに受け止めた。その結果、心の真ん中に二度と消えない傷を負うことになった。

 

 

WUGちゃんたちを初めて見たのはBSで放送されていたアニサマ2017の映像で、衝撃を受けたのを覚えている。BtB衣装に身を包んで歌い、舞い踊る彼女らの姿があまりに神々しくて、美しくて、可愛らしくて。そしてなんと言っても歌がめちゃくちゃうまい!当時アニメオタクではあったものの中の人にはほとんど興味が持てず、ゴリゴリの在宅であった私が声優オタクになったきっかけは間違いなく彼女達だった。私も会場で「オレモー!」ってやりたい! 生で見てみたい!

 

その後在宅らしくチケットのとり方もよくわからないまま、なんとか情報を手に入れたわぐりす2018に参加。ライブというものに参加するの自体初めてだったがWUGもi☆Risも素晴らしくて、両方単独ライブに行ってみたい!となり。その時ツアー情報が出ていたi☆Risのライブに参加。もともとプリパラのオタクだった私はi☆Risにハマって行くことになるのだがそれは置いておいて。WUGちゃんの単独にも行きたいと思っていたがツアーの情報はそのとき出ていなくて、Green Leaves Fesというものがあるらしいがよくわからないしいいか、と思って参加せず(後悔)。その後突然の解散発表。

 

そこで覚悟を決めればよかったのだが当時の私にはそれができず(最大の後悔)、結局HOMEツアーで参加できたのは、立ち見席の追加販売でなんとか滑り込めた横須賀昼公演と仙台千秋楽の4公演のみだった。WUGのライブはどの席も神席!と言っている方もいて、その気持ちも分かるが正直横須賀5階立ち見席ではWUGちゃんの魅力をきちんと受け止められたとは言えなかった。(それでも光る剣を振り回す演出や、ワグナーのコールのデカさと揃いよう、歌声の表現力の高さに驚きはしたが)そうしてきちんと正面からWUGのライブを受け止められるのは仙台公演が初めてということになった。

 

 

オタクになってからはじめての”遠征”が仙台となった。私は実家が仙台なので遠征とは言えないかもしれないが。仙台に住んでいたのにどうしてWUGを追いかけていなかったのか、後悔の念を抱きながら迎えた公演。あまりに衝撃的だった。公演中、なぜなのかわからないまま、ほとんどずっと泣いていた。

 

はじめに涙腺にスイッチが入ったのが「素顔でKISS ME」であいちゃんのダンスを見ていたとき。ダンスがうまいとは聞いていたが想像をはるかに超えていた。人のダンスを見ていて涙が出てくるというのははじめての経験だった。

その後WUGちゃんにも、ワグナーにも泣かされっぱなしだった。

7GW、噂で聞くだけの存在だったまゆしぃコールの揃いよう。

言の葉青葉のハーモニーの美しさ。まゆしぃソロで鳥肌。

僕らのフロンティアサイリウムチェンジ芸の完璧さ。

海そしてシャッター通り。仙台で披露されたことの文脈も相まって、風景が次々脳裏に浮かんできて、涙が止まらなかった。

そしてBeyond the Bottom。これが最も衝撃的だった。全メンバー他の曲とはまるで雰囲気が違う。アニサマ2017の映像を見たときとは全く別の衝撃。なんといってもまゆしぃの魂の叫び。歌とダンスでここまで表現できるものなのか。サイリウムを降る手は完全に動きを止め、ただ立ち尽くして涙を流すことしか出来なかった。Wake Up, Girls!というグループを舐めていた。ただの「声優アイドルユニット」という存在をあまりに超越していた。これが多くてもあと4回しか見られないのか。今まで彼女らの活動を追ってこなかったことを心から後悔した。

 

完全にメンタルがボロボロになっていたところにアンコール後の地下鉄ラビリンス。こんなに楽しい曲はなかった。振り付けの可愛らしさ。コールの楽しさ。WUGちゃんとの全力のラップバトル。客席ゼロ距離まで全力ダッシュで駆けつけてくれるWUGちゃん。楽しかった。心の底から楽しかった。

 

最後の極上スマイルもタイトル通り極上のスマイルになれた。あんなにボロボロになっていたのに公演が終わると「楽しかった」という感想しか出てこない。2時間半あまりの間でこんなに感情が揺さぶられた経験はなかった。

 

 

WUGのライブはこんなにもすごいのか、と終演後にTwitterを巡回していたら「BtBの吉岡茉祐、天井知らずすぎる」などの声が。どうやら私が見たのはファイナルツアーを経て急成長し、最強になったWake Up, Girls!だったらしい。初めてまともに受け止めたライブがWUGの完全究極体だった私は灰になるしかなかった。

 

一日目終了後、実家に泊まった私は母親に少しだけWake Up, Girls!の話をした。母は全くオタクではなく、私も今まで家でアニメや声優の話など一度もしたことがなかった。でもどうしても伝えたかった。こんなにすごいユニットがあるのだということを。

 

 

ライブの興奮であまり眠れぬまま次の日を迎えた。ファイナル含め残り3回しか無いライブに自分の持てる全てを出そうと望んだ。

 

セトリはほとんど変わらないのにいくらでも興奮できる。昨日と同じところで、全く別のところで涙が出てくる。何度でも見ていたいライブだと思った。

 

そして昼の部のMC。「楽しかった」と言いながら天を仰ぎ涙する田中美海さん。そして「SSAに来られなくて今日が最後だっている人?」と問いかける奥野香耶さん。まばらに上がる手。ここでもう限界だった。Wake Up, Girls!は終わりを迎えてしまう。変えようのない事実を突きつけられ、受け止めきれず、涙がとまらない。これでまだ昼公演なのか。悲しい気持ちを消化しきれぬまま、夜公演を迎えた。

 

はじめのMCで田中美海さんだったか。(このタイミングだったかも記憶が曖昧だが)「SSAはエキストラステージ。ここがファイナルという気持ちでやる。」といったようなことを言っていた。WUGちゃん達もワグナーも覚悟が決まったのか、夜公演はただただ楽しかった。本当に楽しかった。WUGちゃんとワグナーとの一体感、混じり具合(うまく言葉にできない)も、この公演では別次元だった。

 

ハートラインDメロ部分。本来はよっぴーとまゆしぃのソロパートで「よーっぴー!」「まーゆしぃ!」となるところでWUGちゃん全員が肩を組んで合唱。それに合わせてワグナーは「わーぐちゃん!」の大声援。

さようならのパレード、間奏部分で自然発生する「Wake Up, Girls!」コール。

タチアガレ!のサイリウム企画が決まり涙ぐむよっぴー。

そしてアンコール終了後、客電がついても鳴り止まない「Wake Up, Girls!」コール。恐らく予定になかったであろうダブルアンコールでの7GWでは、間違いなく人生で一番のコールをワグナー全員が叫んでいた。SSAはエキストラステージ。本当のラストステージはここなのだ。そんな思いが会場全体を一体にし、そこには最高としか言いようがない空間があった。オタクはよく「優勝!」と言うが、この空間は間違いなく優勝そのものだった。

 

終演後、WUGちゃん達がステージから去ってしまうと、ワグナー同士で「ありがとう!」と互いを称え合う。あれほど悲しかった昼公演後の気持ちが嘘のように、最高!という気持ちだけが心を満たした。

 

MCで吉岡茉祐さんが「ぜってー忘れさせねえからな!」と言った。忘れるわけがない。こんな経験、人生でもう二度と味わうことは無い。

 

ライブを終えると、楽しかった反動で急激に悲しくなり、WUGのことが心から離れなくなってしまった。不意にライブのことを思い出して涙が出てくる。ワグナーのブログやコメントを見て涙が出てくる。あと一回しか見られない。解散する事実は変えようがない。最初にまともに受け止めたのが”あの”仙台公演だったことはあまりにもダメージが大きすぎた。

 

 

「エキストラステージ」であるSSA公演も最高のものだった。WUGちゃん達は今持てる全てをあの大舞台で出してくれた。「感情を歌にのせるのが苦手」と言った(私の推しである)田中美海さんの、この日の土曜日のフライトは感情の塊だった。セットリストが完璧だった。最後のパレードを最高の形で飾ってくれた。それでも、私の心に一番大きな傷を残したのは仙台の千秋楽公演だった。

 

私はWake Up, Girls!を、あの仙台千秋楽公演を、決して忘れない。