2020年上半期楽曲10選
10選候補が10曲以上溜まってしまったのでやっていこうと思います。
レギュレーション
・2020年にフル音源が一般流通された楽曲
被りや縛り等は気にせず好きな曲を選出していきます。
- 翠緑と紅蓮 / Blanc Bunny Bandit
- キミのラプソディー / Mashumairesh!!
- 恋する私カラー / 安野希世乃
- イルミナージュ・ランド / Run Girls, Run!
- ALIVE / RYUTist
- エンディングノート / 鹿乃
- hello new pink / 伊藤美来
- 青空 / aiko
- 輝きのエチュード / 諸星すみれ
- あまい夢 / 上田麗奈
翠緑と紅蓮 / Blanc Bunny Bandit
作詞・作曲・編曲:やぎぬまかな
メディアミックス企画「バンめし♪」、 Blanc Bunny Bandit のセカンドアルバム『共鳴性白染自由主義』より。
一曲を通して大人びた雰囲気というか、”シブい”楽曲だなと感じました。わかりやすくA、B、サビ、と雰囲気がガラッと変わるなどという感じではなく、どちらかというと淡々と進行していく印象を受けます。しかし”聴きどころ”は多い楽曲だと思いました。
この楽曲の聞き方として、それぞれ別の楽器、パートのどれかひとつに注目して聞いてみるというのが個人的には楽しいと思っています。シンプルに二人のボーカルの掛け合いを楽しんでもいいですし、16ビートを刻み続けながらところどころ様々なパターンを織り交ぜてくるドラムのリズムに身を委ねても良い。ボーカルに寄り添いつつも、ソロパートではシブい演奏で主張してくるホーンに耳を傾けても良い。わかりやすく大きな盛り上がりがない分、逆に自分で楽しみ方を見つけてずっと聞き続けていられる楽曲になっていると思います。2:37のギター三連カッティングが性癖ポイント。
キミのラプソディー / Mashumairesh!!
作詞・作曲:Wiggy
編曲:三谷秀甫
TVアニメ「SHOW BY ROCK!!ましゅまいれっしゅ!!」EDテーマ。
とにかくかわいくてキャッチー!!それに尽きます。
短いフレーズの繰り返しが多用されており、とても耳馴染みがよく覚えやすい。それでいてクドくは無く全く飽きが来ないのはアレンジの妙でしょうか。同じメロでもコードは違う、という箇所が多く、特に繰り返しの二回目で VI → #V → V → #IV のクリシェが印象的に多用されています。この進行を使うとどうやったって”エモさ”が出ますね。そういったところがMashumairesh!! を特徴づける楽曲となっていると思います。
ところで、曲頭のワンフレーズがサビラストで回収されるの、”アニメ初回アバンで意味深に提示されたシーンが、最終回で満を持して伏線回収される感じ”がありませんか??ここにものすごくドラマチックさを感じます。
2020年のアニソンといえばこれ!というような、長く愛されていく楽曲になると確信しています。
恋する私カラー / 安野希世乃
TVアニメ「アルテ」EDテーマ『晴れ模様』カップリング曲。
イントロ、ピアノの美しい旋律と安野希世乃さんの透き通るような歌声に心を掴まれます。そこからドラムの跳ねるようなリズムとご機嫌なホーン隊の音が入ってきて、聞いているだけでウキウキしてしまいます。穏やかな晴れた日に広い公園を散歩しながら聞いたら最高に気持ちよくなれそうです。
メロディの中で、1A「月と太陽手を取って回っ”て”」「はじまるステップ スキップして”い”るよ」「からっぽ”か”ばん ドキドキ詰めて」、サビ「カラフ”ル”でしょ?」「ワクワ”ク”が聞こえる」などなど、効果的に使われている♭IIIの音が本当に好きです。特に「からっ”ぽ” ”か”ばん」の、上から一気に♭IIIの音に落ちて来るところが好きすぎる。(二番では III になっています。)Bメロの入り~サビへのなめらかかつダイナミックな展開の仕方も大好きですし、サビメロのリズミカルさと歌詞の当て方も非常に気持ちいいです。全部好き。
イルミナージュ・ランド / Run Girls, Run!
TVアニメ「キラッとプリ☆チャン」OPテーマ。
プリチャン新OPとしてTVで流れてきたとき、曲のあまりの素晴らしさ思わずガッツポーズしてしまいました。キラキラとした音使いが本当に美しい。
アニメ内で登場するテーマパーク、プリ☆チャンランドをイメージした楽曲になっているのだと思います。一曲を通して、まるでテーマパークのアトラクションに乗っているかのようで、日常から離れ、夢の世界に入り込んでしまったような感覚になります。この感覚は、裏でずっと効果音のようになっているピコピコした音と、非常に高い音でメロディに寄り添うように鳴っているシンセメロ?の効果なのかなあと思いました。
サビ前、「いいね★の流星 胸に飾って パレード進め ポップアップ」からサビへ繋がる流れがドラマチックで本当に美しくて聞き惚れてしまいます。「ポップアップ」で主メロを歌っている林鼓子さん以外の二人?がセリフ調に叫んでいるところがアニソンっぽくていいですね。ポップアーップ!!って言いながら全力ジャンプするやつがやりたすぎる。
ALIVE / RYUTist
作詞・作曲・編曲:蓮沼執太
新潟市中央区古町から生まれたアイドル RYUTist(りゅーてぃすと)の4thアルバム『ファルセット』より先行配信。
本当にいろんな楽器の音が聞こえてくるのですが、その一つ一つがびっくりするぐらいはっきりとした輪郭で聞こえてきて、聞いている私を包み込んでいくような感覚に陥ります。フレーズが溶け合ったり、混じり合うというのとはどこか違う。だからといって喧嘩しているというわけではもちろんない。それぞれの楽器が好きに音を出しているのに、なにか超自然的な力でそれらが集結して一つの音楽として成立している。そんな不思議な聞こえ方がして、音楽が作り上げる独特な世界観に自然と潜り込んでいく感覚がしました。イメージとしては、穏やかな陽気の森の中の一軒家で、開け放った窓から聞こえてくる鳥の鳴き声を聞きながら朝食を食べている、というような感じでしょうか。
全編に渡ってコーラスの重ね方が非常にリッチで美しく、この音楽の世界観へと導いてくれるガイドのように聞こえてきます。間奏のセリフパートは催眠に落ちていくような感覚さえあります。
この一曲を聞くだけで穏やかで優しい別の世界へと導かれ、心の底から気分が澄み渡っていくような、極上のヒーリングミュージックです。
エンディングノート / 鹿乃
作詞:鹿乃
作曲:田中秀和(MONACA)
編曲:sugarbeans
鹿乃 4th アルバム『yuanfen』より。
「エンディングノート」という名の通り、「終わり」をとても意識した楽曲になっています。それまで何気なく過ごしてきた日常も、終わりが見えてくるととたんに愛おしく感じられ、急に「まだ終わりたくない!」となる。そんな情景が表現されているのではないかと思いました。
一曲を通して淡々と八分を刻み続けるハイハットは、どんなときでも平等に流れていく時の流れ、秒針の音を表しているかのようです。メロディに注目してみると、ほとんどすべてのフレーズが基音で終わりません。一番は V で終わりますし、二番なんて♭II です。曲の最後の最後でようやく基音で終わりますが、アウトロは留まること無く演奏され続け、やがてフェードアウトしていきます。まだまだ終わりたくない!という強い意志の現れのようです。
どんなものにも終わりは訪れますが、そのとき自分に何ができるのか。悔いが残らないよう、どうやって生きていけばよいのか。そんなことを考えさせられる一曲になっていると思いました。
hello new pink / 伊藤美来
作詞・作曲:ゆいにしお
編曲:水口浩次
TVアニメ「プランダラ」OPテーマ『Plunderer』のカップリング曲。
伊藤美来さんワークスの中ではすっかりおなじみとなっている、シティポップ調の大人びた雰囲気漂う楽曲です。この路線は本当に外れがない…。伊藤美来さんのアーティスト活動の中でこういった大人っぽい曲をリリースしていくことが一つの柱となっていると思うのですが、どんどん歌いこなしがうまくなっている感じがします。シティポップ大好きマンとしては今後もこの調子で活動を続けていってほしいですね。この次にリリースされたシングルのカップリング曲『Sweet Bitter Sweet Days』も、よりポップな感じで大変素晴らしかったです。伊藤美来さんのアーティスト活動から目が離せません。
青空 / aiko
作詞・作曲:AIKO
編曲:トオミヨウ
aiko 39thシングル『青空』より。
長い間サブスク配信のなかったaikoさんですが、この「青空」をきっかけに全曲配信が始まりました。 aikoさんの曲は1stアルバムとベストアルバムくらいしか聞いていない状態だったのですが、これをきっかけに聞いて行こうかなーと思って再生してみた「青空」があまりにも良かった。
aikoさんの曲って全部”aikoっぽさ”があると思うんですけど、それが1stアルバムから変わらずこの曲にも出ている感じがします。最新の楽曲なのに、ずっと前から好きで聞き続けていた曲のような安心感を感じました。長くアーティスト活動を続けてきて、非常に広い世代に愛され続けていくというのはこういうことなのでしょうか。
ミドルテンポで思わず体を揺らしてしまうようなアレンジになっており、これも晴れた日に散歩しながら聞きたいような曲です。切なさの中にあったかさのあるような、不思議な空気感がとても素敵ですね。
輝きのエチュード / 諸星すみれ
https://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/-/Artist/A026544.html
諸星すみれ1stシングル『つむじかぜ』にCD限定収録。配信はありません。
TVアニメ「アイカツ!」の挿入歌カバー楽曲。
恥ずかしながらアイカツ!を視聴する前にこの楽曲を聞いてしまったのですが、この曲が持つ力・文脈のようなものが全力でぶつかってくる感覚があり、「これは半端な覚悟ではだめだ」と思って急いでアイカツ全178話+劇場版を視聴してきました。一つの曲を聞いただけでこんな気持ちになったのは初めてだったので本当にびっくりです。
「この曲のここが良い!」などと語ることはむしろ野暮になってしまうように感じます。アイカツおじさんはもちろん、アイカツ!未履修の方にもとにかく一度聞いていただいて、この”力”を感じて欲しいです。CDに収録されている他の3曲も本当にいい曲なので買っておいて絶対に損はない一枚ですよ。
あまい夢 / 上田麗奈
作詞・作曲:ORESAMA
編曲:小島英也
上田麗奈ニューアルバム『Empathy』より。
これは楽曲単体というよりはアルバム全体として一つの作品として本当におすすめしたい。
デビューアルバム「RefRain」がなんというか、陰鬱でディープな世界観だな、という感じだったのですが、「Empathy」収録曲の中でも先行配信されたこの『あまい夢』は非常にポップでとっつきやすい曲だな、と感じました。アルバムを頭から聞いてみると、まずは「アイオライト」「あまい夢」とポップでキャッチーな楽曲でこちらの心を掴んできます。しかし「Falling」で空気が変わり、「おや…?」と思っていると「ティーカップ」以降の曲で一気にディープな世界に引き込んで来る。そして最後の「Walk on your side」で優しい最期を迎える……。といった感じで、気づいたら上田麗奈さんの世界観に引き込まれています。その沼の入り口にわざとらしく餌として置かれているのがこの「あまい夢」であるという感じです。
このMVの上田麗奈さん、ちょっとかわいすぎるじゃないですか。しかも曲が超ポップで聞きやすい。2Aでどんどん音が無くなっていって「ふと静寂が訪れる」でささやきかけられるところとかもう本当に良すぎる。この曲とMVにつられてアルバムを買って頭から聞いていると、いつの間にか深みにはまっているんですよね。私はこのアルバムを皮切りに他の上田麗奈さん音源にも手を出し、1st写真集「くちなし」を購入し、「現在放送中のソロラジオ「上田麗奈のひみつばこ」を聞き始め、この間「ラジオハナヤマタ」を全部聞いてしまいました。また、ラジオCD「ディメラジ~Dimension W Radio~」も手に入れたのでそれも聞いていく予定です。え?いや、まだ曲とラジオを聞きまくっているだけで、はまっているわけではないですよ?
最後にこの記事に載せられなかったものも含めた10選候補曲プレイリストを貼り付けておきます。こちらは随時更新していきます。
おわり