2020年上半期楽曲10選

10選候補が10曲以上溜まってしまったのでやっていこうと思います。

レギュレーション
・2020年にフル音源が一般流通された楽曲

 被りや縛り等は気にせず好きな曲を選出していきます。

翠緑と紅蓮 / Blanc Bunny Bandit

作詞・作曲・編曲:やぎぬまかな

翠緑と紅蓮

翠緑と紅蓮

  • Blanc Bunny Bandit
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

メディアミックス企画「バンめし♪」、 Blanc Bunny Bandit のセカンドアルバム『共鳴性白染自由主義』より。

一曲を通して大人びた雰囲気というか、”シブい”楽曲だなと感じました。わかりやすくA、B、サビ、と雰囲気がガラッと変わるなどという感じではなく、どちらかというと淡々と進行していく印象を受けます。しかし”聴きどころ”は多い楽曲だと思いました。

この楽曲の聞き方として、それぞれ別の楽器、パートのどれかひとつに注目して聞いてみるというのが個人的には楽しいと思っています。シンプルに二人のボーカルの掛け合いを楽しんでもいいですし、16ビートを刻み続けながらところどころ様々なパターンを織り交ぜてくるドラムのリズムに身を委ねても良い。ボーカルに寄り添いつつも、ソロパートではシブい演奏で主張してくるホーンに耳を傾けても良い。わかりやすく大きな盛り上がりがない分、逆に自分で楽しみ方を見つけてずっと聞き続けていられる楽曲になっていると思います。2:37のギター三連カッティングが性癖ポイント。

 

 

キミのラプソディー / Mashumairesh!!

作詞・作曲:Wiggy
編曲:三谷秀甫

キミのラプソディー

キミのラプソディー

  • Mashumairesh!!(CV:遠野ひかる、夏吉ゆうこ、和多田美咲、山根 綺)
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

TVアニメ「SHOW BY ROCK!!ましゅまいれっしゅ!!」EDテーマ。

とにかくかわいくてキャッチー!!それに尽きます。
短いフレーズの繰り返しが多用されており、とても耳馴染みがよく覚えやすい。それでいてクドくは無く全く飽きが来ないのはアレンジの妙でしょうか。同じメロでもコードは違う、という箇所が多く、特に繰り返しの二回目で VI → #V → V → #IV のクリシェが印象的に多用されています。この進行を使うとどうやったって”エモさ”が出ますね。そういったところがMashumairesh!! を特徴づける楽曲となっていると思います。

ところで、曲頭のワンフレーズがサビラストで回収されるの、”アニメ初回アバンで意味深に提示されたシーンが、最終回で満を持して伏線回収される感じ”がありませんか??ここにものすごくドラマチックさを感じます。

2020年のアニソンといえばこれ!というような、長く愛されていく楽曲になると確信しています。


恋する私カラー / 安野希世乃

作詞:安野希世乃
作曲:戸嶋友祐
編曲:倉内達矢
恋する私カラー

恋する私カラー

  • provided courtesy of iTunes

TVアニメ「アルテ」EDテーマ『晴れ模様』カップリング曲。

イントロ、ピアノの美しい旋律と安野希世乃さんの透き通るような歌声に心を掴まれます。そこからドラムの跳ねるようなリズムとご機嫌なホーン隊の音が入ってきて、聞いているだけでウキウキしてしまいます。穏やかな晴れた日に広い公園を散歩しながら聞いたら最高に気持ちよくなれそうです。

メロディの中で、1A「月と太陽手を取って回っ”て”」「はじまるステップ スキップして”い”るよ」「からっぽ”か”ばん ドキドキ詰めて」、サビ「カラフ”ル”でしょ?」「ワクワ”ク”が聞こえる」などなど、効果的に使われている♭IIIの音が本当に好きです。特に「からっ”ぽ” ”か”ばん」の、上から一気に♭IIIの音に落ちて来るところが好きすぎる。(二番では III になっています。)Bメロの入り~サビへのなめらかかつダイナミックな展開の仕方も大好きですし、サビメロのリズミカルさと歌詞の当て方も非常に気持ちいいです。全部好き。

 

イルミナージュ・ランド / Run Girls, Run!

作詞:只野菜摘
作曲・編曲:瀬尾祥太郎(MONACA)

イルミナージュ・ランド

イルミナージュ・ランド

  • provided courtesy of iTunes

TVアニメ「キラッとプリ☆チャン」OPテーマ。

プリチャン新OPとしてTVで流れてきたとき、曲のあまりの素晴らしさ思わずガッツポーズしてしまいました。キラキラとした音使いが本当に美しい。

アニメ内で登場するテーマパーク、プリ☆チャンランドをイメージした楽曲になっているのだと思います。一曲を通して、まるでテーマパークのアトラクションに乗っているかのようで、日常から離れ、夢の世界に入り込んでしまったような感覚になります。この感覚は、裏でずっと効果音のようになっているピコピコした音と、非常に高い音でメロディに寄り添うように鳴っているシンセメロ?の効果なのかなあと思いました。

サビ前、「いいね★の流星 胸に飾って パレード進め ポップアップ」からサビへ繋がる流れがドラマチックで本当に美しくて聞き惚れてしまいます。「ポップアップ」で主メロを歌っている林鼓子さん以外の二人?がセリフ調に叫んでいるところがアニソンっぽくていいですね。ポップアーップ!!って言いながら全力ジャンプするやつがやりたすぎる。

 

ALIVE / RYUTist

 作詞・作曲・編曲:蓮沼執太

ALIVE

ALIVE

  • provided courtesy of iTunes

新潟市中央区古町から生まれたアイドル RYUTist(りゅーてぃすと)の4thアルバム『ファルセット』より先行配信。

本当にいろんな楽器の音が聞こえてくるのですが、その一つ一つがびっくりするぐらいはっきりとした輪郭で聞こえてきて、聞いている私を包み込んでいくような感覚に陥ります。フレーズが溶け合ったり、混じり合うというのとはどこか違う。だからといって喧嘩しているというわけではもちろんない。それぞれの楽器が好きに音を出しているのに、なにか超自然的な力でそれらが集結して一つの音楽として成立している。そんな不思議な聞こえ方がして、音楽が作り上げる独特な世界観に自然と潜り込んでいく感覚がしました。イメージとしては、穏やかな陽気の森の中の一軒家で、開け放った窓から聞こえてくる鳥の鳴き声を聞きながら朝食を食べている、というような感じでしょうか。

全編に渡ってコーラスの重ね方が非常にリッチで美しく、この音楽の世界観へと導いてくれるガイドのように聞こえてきます。間奏のセリフパートは催眠に落ちていくような感覚さえあります。

この一曲を聞くだけで穏やかで優しい別の世界へと導かれ、心の底から気分が澄み渡っていくような、極上のヒーリングミュージックです。

 

エンディングノート / 鹿乃

作詞:鹿乃
作曲:田中秀和(MONACA)
編曲:sugarbeans  

エンディングノート

エンディングノート

  • provided courtesy of iTunes

鹿乃 4th アルバム『yuanfen』より。

エンディングノート」という名の通り、「終わり」をとても意識した楽曲になっています。それまで何気なく過ごしてきた日常も、終わりが見えてくるととたんに愛おしく感じられ、急に「まだ終わりたくない!」となる。そんな情景が表現されているのではないかと思いました。

一曲を通して淡々と八分を刻み続けるハイハットは、どんなときでも平等に流れていく時の流れ、秒針の音を表しているかのようです。メロディに注目してみると、ほとんどすべてのフレーズが基音で終わりません。一番は V で終わりますし、二番なんて♭II です。曲の最後の最後でようやく基音で終わりますが、アウトロは留まること無く演奏され続け、やがてフェードアウトしていきます。まだまだ終わりたくない!という強い意志の現れのようです。

どんなものにも終わりは訪れますが、そのとき自分に何ができるのか。悔いが残らないよう、どうやって生きていけばよいのか。そんなことを考えさせられる一曲になっていると思いました。

 

hello new pink / 伊藤美来 

作詞・作曲:ゆいにしお
編曲:水口浩次

hello new pink

hello new pink

  • provided courtesy of iTunes

TVアニメ「プランダラ」OPテーマ『Plunderer』のカップリング曲。

伊藤美来さんワークスの中ではすっかりおなじみとなっている、シティポップ調の大人びた雰囲気漂う楽曲です。この路線は本当に外れがない…。伊藤美来さんのアーティスト活動の中でこういった大人っぽい曲をリリースしていくことが一つの柱となっていると思うのですが、どんどん歌いこなしがうまくなっている感じがします。シティポップ大好きマンとしては今後もこの調子で活動を続けていってほしいですね。この次にリリースされたシングルのカップリング曲『Sweet Bitter Sweet Days』も、よりポップな感じで大変素晴らしかったです。伊藤美来さんのアーティスト活動から目が離せません。

Sweet Bitter Sweet Days

Sweet Bitter Sweet Days

  • provided courtesy of iTunes

 

青空 / aiko

作詞・作曲:AIKO
編曲:トオミヨウ

青空

青空

  • provided courtesy of iTunes

 aiko 39thシングル『青空』より。

長い間サブスク配信のなかったaikoさんですが、この「青空」をきっかけに全曲配信が始まりました。 aikoさんの曲は1stアルバムとベストアルバムくらいしか聞いていない状態だったのですが、これをきっかけに聞いて行こうかなーと思って再生してみた「青空」があまりにも良かった。

aikoさんの曲って全部”aikoっぽさ”があると思うんですけど、それが1stアルバムから変わらずこの曲にも出ている感じがします。最新の楽曲なのに、ずっと前から好きで聞き続けていた曲のような安心感を感じました。長くアーティスト活動を続けてきて、非常に広い世代に愛され続けていくというのはこういうことなのでしょうか。

ミドルテンポで思わず体を揺らしてしまうようなアレンジになっており、これも晴れた日に散歩しながら聞きたいような曲です。切なさの中にあったかさのあるような、不思議な空気感がとても素敵ですね。


輝きのエチュード / 諸星すみれ

作詞:こだまさおり
作曲:石濱翔
編曲:鷺巣詩郎

https://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/-/Artist/A026544.html

諸星すみれ1stシングル『つむじかぜ』にCD限定収録。配信はありません。
TVアニメ「アイカツ!」の挿入歌カバー楽曲。

恥ずかしながらアイカツ!を視聴する前にこの楽曲を聞いてしまったのですが、この曲が持つ力・文脈のようなものが全力でぶつかってくる感覚があり、「これは半端な覚悟ではだめだ」と思って急いでアイカツ全178話+劇場版を視聴してきました。一つの曲を聞いただけでこんな気持ちになったのは初めてだったので本当にびっくりです。

「この曲のここが良い!」などと語ることはむしろ野暮になってしまうように感じます。アイカツおじさんはもちろん、アイカツ!未履修の方にもとにかく一度聞いていただいて、この”力”を感じて欲しいです。CDに収録されている他の3曲も本当にいい曲なので買っておいて絶対に損はない一枚ですよ。

 

あまい夢 / 上田麗奈

作詞・作曲:ORESAMA
編曲:小島英也

あまい夢

あまい夢

  • provided courtesy of iTunes

www.youtube.com

上田麗奈ニューアルバム『Empathy』より。
これは楽曲単体というよりはアルバム全体として一つの作品として本当におすすめしたい。

デビューアルバム「RefRain」がなんというか、陰鬱でディープな世界観だな、という感じだったのですが、「Empathy」収録曲の中でも先行配信されたこの『あまい夢』は非常にポップでとっつきやすい曲だな、と感じました。アルバムを頭から聞いてみると、まずは「アイオライト」「あまい夢」とポップでキャッチーな楽曲でこちらの心を掴んできます。しかし「Falling」で空気が変わり、「おや…?」と思っていると「ティーカップ」以降の曲で一気にディープな世界に引き込んで来る。そして最後の「Walk on your side」で優しい最期を迎える……。といった感じで、気づいたら上田麗奈さんの世界観に引き込まれています。その沼の入り口にわざとらしく餌として置かれているのがこの「あまい夢」であるという感じです。

このMVの上田麗奈さん、ちょっとかわいすぎるじゃないですか。しかも曲が超ポップで聞きやすい。2Aでどんどん音が無くなっていって「ふと静寂が訪れる」でささやきかけられるところとかもう本当に良すぎる。この曲とMVにつられてアルバムを買って頭から聞いていると、いつの間にか深みにはまっているんですよね。私はこのアルバムを皮切りに他の上田麗奈さん音源にも手を出し、1st写真集「くちなし」を購入し、「現在放送中のソロラジオ「上田麗奈のひみつばこ」を聞き始め、この間「ラジオハナヤマタ」を全部聞いてしまいました。また、ラジオCD「ディメラジ~Dimension W Radio~」も手に入れたのでそれも聞いていく予定です。え?いや、まだ曲とラジオを聞きまくっているだけで、はまっているわけではないですよ?

 

最後にこの記事に載せられなかったものも含めた10選候補曲プレイリストを貼り付けておきます。こちらは随時更新していきます。

 

 おわり

2019年楽曲10選

いろいろなオタクの楽曲10選を読んでいて楽しそうだなと思ったので書いてみました。よろしくおねがいします。

 

レギュレーション
・2019年にフル音源が一般流通された楽曲
・アーティスト、コンテンツ、作曲、編曲者の被りを避ける

 

 

ひよこのうた / Le☆S☆Ca

作詞:カナボシ☆ツクモ
作曲:Tetsushi Enami

アプリゲーム「Tokyo 7th シスターズ」より。

音が良い…
バッキング的には曲の頭から終わりまで終始同じようなコードの繰り返しに聞こえるのですが、最後まで全く飽きが来ず、ずっと気持ちいい。繰り返しに聞こえるコードもよくよく聴いてみると少しずつ変化しています。また、楽曲構成的にも途中でラップパートが入ってみたり、1番と2番で違う展開になっていたりと、最初からフル尺を念頭においてよく練って作られているんだろうなという感じがしました。
この曲はナナシスの5thライブに参加して初めて聴いたのですが、あまりに良すぎて聴いている間笑いが止まりませんでした。歌唱前にタイトルコールをしてくれていたのでそれを覚えていて、ライブ後即AmazonでCD購入したのもいい思い出です。
4小節に1回くらいの頻度で分数augみたいな音が鳴るのでaugジャンキーな方にもおすすめ(?)

 

町かどタンジェント / shami momo

作詞・作曲・編曲:辻林美穂

TVアニメ「まちカドまぞく」OP

か、かわいい~!!!
楽曲冒頭から細かく入ってくるコーラス、どこか力の抜けるホーンの音、曲全体を支えるギターの優しい音色、タンバリン、なんかよくわからん音、構成されている音のすべてがかわいくて頭の中お花畑になります。
曲中に何度も細かく転調を繰り返していることにより、どこかふわふわと掴みどころのない感じが演出されていてとても素敵ですね。
辻林美穂さんはこの曲で初めて知ったのですが、本人名義のアルバム「Clarté」「ombre」も大変素晴らしかったです。辻林美穂さん、完全神シンガーソングライター。今回を期にアニメ作品への楽曲提供増えるといいな~。アキシブ系大好きなので。

 

スパイシー♪ホット*ケーキ!!! / ノンシュガー

作詞:松井洋平
作曲・編曲:本多友紀 (Arte Refact)

アニメ「プリパラ」内ユニット「ノンシュガー」の楽曲。

アニメ放送終了後にライブで事前告知一切無しに突然発表された曲です。初披露は2018年9月9日ですが、本楽曲が収録されたアルバム「プロミス!リズム!パラダイス!」が2019年9月11日に発売されるまではライブまたはライブBDでしか聴けず、長い間”幻の曲”となっていました。
最高にキャッチーなメロディーと思わず叫んでしまう楽しい合いの手で大変ノリが良く、まさに”ライブ向き”という楽曲になっています。いままで経験したこと無いような最高の笑顔で多動しつつ全力でコールできる。オタク全員この曲好きだろ…
生で聴いたことがあるのはプリのオタクくらいになってしまっているので、アニサマ等大きなフェスで披露して全オタクを横転させてほしいですね。
かわいくなりたいのー\\オレモー//

 

キラリスト・ジュエリスト / Run Girls, Run!

作詞:只野菜摘
作曲・編曲:広川恵一(MONACA)

アニメ「キラッとプリ☆チャン」OP

オシャかわ広川~!!!
バッキングはとてもおしゃれなサウンドになっているのですが、メロはとてもキャッチー。ボーカルは非常に可愛らしさが意識された歌い方になっていて おしゃれ かつ かわいい 楽曲になっていますね(性癖)。アニソンらしく(?)キメが多くて聴いていると自然と体が動いてしまいます。1:11の ♪光をう「か」べて~ のメロがハオ(好)。
作詞:只野菜摘 作曲・編曲:広川恵一(MONACA) という間違い無い布陣で楽曲発表前から期待が大きかったですが、そのハードルをも平然と超えてきて最高~~~となりました。ランガちゃん、応援しています。奇跡がうまれるその瞬間に間にあいたいものです。

 

For you! For みい! / 長谷川みい(CV:空見ゆき)

作詞・作曲・編曲:やしきん

 TVアニメ「Re:ステージ!ドリームデイズ♪」より、長谷川みい(CV:空見ゆき)のキャラクターソング。

曲冒頭から「みぃ!みぃ!」という中毒性の高いフレーズが幾度となく繰り返され、一発で頭から離れなくなってしまいます。
曲の構成が A→B→サビ→B→A→ソロ→D→A→サビ とかなり風変わりなのですがこれが見事。個人的に”2番でサビに行かないやつ”は聴いててもやっとしてしまうのであまり得意ではないのですが、この曲では2番でAメロBメロを入れ替えることで非常に自然な流れでソロパートへとつないでいます。サビに行かないもやっと感は無しに、サビを”溜める”ことからの”開放感”のみが最大限に発揮される秀逸な構成だと思いました。
さらに、サビの1回目と2回目でコードが変わっている点も大変気持ちよく(性癖)、さらに1番とラスサビでも変更されています。ラスサビで満を持してVImからの下降の大団円感があまりにも最高。

 

気ままな天使たち / わたてん☆5

作詞:ZAI-ON
作曲:Eternal Truth
編曲:伊賀拓郎/WEST GROUND

アニメ「私に天使が舞い降りた!」OP。

アニメOPでこれが流れてきたとき「勝ったな…」と思いました。イントロのギター好き…
この楽曲、声優さんの"キャラ声歌唱"が完璧なんですよね。こんな"無垢な幼女キャラクター"の声で「あなたのすぐそばにいるよ つらい時、悲しい時」などと歌われてしまったらオタクは号泣してしまう。幼女にこちらのすべてを無条件に全肯定してもらえる、というバブみの高い非常に危険な曲ですね。本当に”つらい時、泣きたい時、悲しい時”にうっかりこの曲を聴いてしまったら二度とこちらの世界には戻ってこられないでしょう。
ところで作曲のEternal Truth さん、調べてもほとんど情報が出てこないのですがいったい何者なのでしょうか、、、

 

アスファルト / 諸星すみれ

作詞・作曲・編曲:宮川弾

諸星すみれさんのデビューミニアルバム『smile』より。

とにかく音が好きすぎる。アルバムを通して聴いている中で、単純に”音の良さ”だけでハッとさせられました。音数が少なく抑えられている分、楽器の音がはっきりと際立っており、その一つ一つが意思をもってこちらに語りかけてくるようです。非常に心にしみる音楽。極上のストリングス。
楽曲の進行も非常にツボに効く展開が多いです。聴いている最中に楽曲と”波長が合う”瞬間があって、「ここ半音で上がっていくと気持ちいいんだけdうぉぉおキタキタ!!!」という体験が何度もできました。0:29 や 2:06 の IV# から入ってくるストリングスが個人的ツボ。
あと諸星すみれさん、単純に歌がめちゃくちゃうまいですね。このアルバムは他も名曲揃いです。同じ宮川弾さんが作詞・作曲・編曲の『足りない音はキミの声』もおすすめ。リード曲の『真っ白』も「5拍子って、いいな…」となって最高です。諸星すみれさん、2020年最も注目したい声優アーティストです。

 

MARINARING / 河野万里奈

作詞:こだまさおり
作曲・編曲:オリバー・グッド(MONACA)

河野万里奈さんの再メジャー2ndシングル『水恋』より。

開幕からおしゃれサウンド全開です。イントロで勝利を確信。とにかくすべての音がツボすぎて初めて聴いた時笑いが止まりませんでした。思わず体が動いてしまうような”黒い”音楽の感じが最高です。
ボーカルの合間を埋めるようにコーラス、ホーン、ギター等の楽器が合いの手のように入れ代わり立ち代わりに入ってくるのが大変心地よく、独特のグルーヴを生み出していますね。
この楽曲、あまりに良すぎて家でイヤホンでこの曲を聴いている時、爆笑しながら一人で舞い踊っていたら時間指定配達の荷物が来たチャイムを聞き逃してしまったということがありました。ヤマトのおっちゃん、すまん…
オリバー・グッドさん、MONACAに入ってから1曲目でこんなに最高の音楽を生み出してくれて、今後の楽曲が楽しみで仕方ありません。オリバー・グッドさん、グッドとかいうレベルではない…

 

オールドファッション / 坂本真綾

作詞:坂本真綾
作曲:荒井岳史
編曲:北川勝利

坂本真綾さんの 10th Album『今日だけの音楽』より。

イントロが最高な曲は最高であることが実験的に証明されています。2019年シティポップ声優ソングアワード最高金賞受賞作品。
この楽曲は「昔同じ時間を過ごしたサークル仲間が1日だけ集まってライブをやる」という裏テーマもあったそうです。*1 そう思って聴いてみると、シティポップ調の楽曲が持つ独特の”懐かしさ”のようなものが、どこか心温まるような雰囲気を演出してくれているように感じられます。派手な楽曲ではありませんが、聴いているとやさしい気持ちになれるような作品です。

 

WANING MOON / MELLOW MELLOW

作詞:深川琴美
作曲・編曲:宮野弦士

ボーカル&ダンスユニット「MELLOW MELLOW」4thシングル『WANING MOON』より。

Spotifyのリコメンドによって出会うことができました。作曲・編曲の宮野弦士さんはアイドルグループ「フィロソフィーのダンス」(フィロのス)の楽曲を担当していることで知っていたのですが、MELLOW MELLOWさんにも非常に多くの楽曲を提供していたのですね。
2つのグループの比較でいうと、フィロのスさんは4人の歌声の個性が非常に強く、それによって非常におしゃれなサウンドでありながら”アイドル楽曲”である要素を生み出しているように感じます。一方でMELLOW MELLOWさんは3人のボーカルの個性はもちろんありながら、それらがより”調和”するように歌われている感じがしました。
この『WANING MOON』もボーカルと楽曲の調和、そしてボーカル同士の調和が非常に心地よく、いつまでも聴いていられます。現場にも行ってみたいな~。
メジャー1stシングルの『マジックランデブー』も意味わからないくらいいい曲です。こちらも宮野弦士さん作編曲。宮野弦士さん最強すぎるだろ…

 


 

楽曲10選は以上です。

今年の8月あたりに Apple Music に登録したことをきっかけにいろいろな楽曲をあさり始めて、自分がどんなタイプの楽曲が好きなのか、という音楽的自我がようやく芽生えた1年になったと思います。
また、音楽好きのオタクみたいなアカウントを少しずつフォローし始めてから良い曲に出会える頻度がどんどん高まって人生が楽しくなってきました。2020年も良い音楽にたくさん出会える1年でありますように。

 

おわり

Wake Up, Girls! FINAL LIVE ~想い出のパレード~

 

3月8日、さいたまスーパーアリーナにて行われた「Wake Up, Girls! FINAL LIVE ~想い出のパレード~」に参加してきました。感想を一言でまとめてしまうと、とても楽しかったです。解散ライブでこんなことを言うのもどうかとは思いますが。とにかくいいライブでした。ライブ後のどうしようもない感情もそろそろ落ち着いてきたところなので、当日を振り返る文章を書いておこうと思います。と言いながら書き上げるのに一週間かかってしまいましたが。

 

物販

とりあえず当日は自宅から始発で会場へと向かいました。6時半頃に到着したのですが、物販列はすでにものすごい列が。ファイナルライブでこのキャパですからね、それも当然でしょうか。物販開始と同時くらいに、公式から物販の個数制限が突然発表されて界隈がざわつきましたね。この条件なら私の前で枯れることはないかな、と楽観視していました。が、甘かったです。缶バッジが枯れてしまったうえ、特典ガチャには参加すら出来ませんでした。ワグナー恐るべし。

その後CD物販で7万ほど散らしてコメント入りポストカードをフルセットで手に入れたあと、公開リハーサルへ。

 

公開リハーサル

リハには2600人のワグナーが参加したとのことでしたが、あの広い会場の前半分だけがギチギチに埋まっていて、後ろはすっからかんという光景がかなり異様でした。

そしてWUGちゃん登場。てっきりWUGジャージで来るのかと思いきや衣装で登場。

マイクや照明の調整など、リハ独特の雰囲気を味わうことが出来ました。

公開リハに来てくれたワグナーの皆様だけのために、ということで何曲か披露してくれました。

 

まずは7Sensesをワンコーラスだけ。リハということでコールは控えめにしてしまいましたが、それにしても全然響きませんでした。

止まらない未来、リトル・チャレンジャーは、「本編ではやらない曲を」という前振りがあっての披露でした。I-1アリーナですし絶対にやってくれると思っていたのですが、ここで回収されるとは…

極上スマイルにて、青山さんからの「『お箸の国へー』のところ、みんななんて言ってるの???」という質問でざわつきました。最終的に田中さんが「私の歌ちゃんと聴いてほしいな…」という意志が表明されて。最後の最後にWUGちゃんからそのような意志を聴くことが出来て嬉しかったです。

そんな感じでリハは終了。A5ブロック3列目という神のような席でずっと田中美海さんを凝視していました。本編もこの席で観たかった。

 

開場まで

リハ後にTwitterを巡回していると、「SSAヤバイ、全然コールが響かない!」とざわついていました。私は歴の浅いワグナーでしたし、当事者意識がない、と言われても仕方ないですが、私は全く焦りを感じてはいませんでした。なぜなら横浜アリーナ*1でのワグナーのコールの圧を知っていたから。「どうせお前ら本番になったらぶちかましてくれるんでしょ?」とか思っていました。

 

昼食を済ませ、悪魔のような眠気に襲われたのでけやきの椅子で仮眠を取りました。

目覚めてからパンフレットに目を通していたのですが、これが大変素晴らしかった。6年で少しずつ積み上げていったのであろう、メンバーの関係性の重みが記事の一文字一文字から感じられてしまって、終始泣きそうでした。こんな大勢の人が往来する道の真ん中で一人泣いているのは流石に険しいと思い、涙が出そうになってはスマホをいじるなどして気を紛らわし、じっくりと読み進めました。こらえた分の涙がすべて鼻に流れ込んでいってしまうのでティッシュを大量に消費。1時間以上かけてようやく読み終えました。

 

小腹が空いたのでパンでも買うか、と思ってコンビニに寄っていたところ、けやきひろばでの円陣企画があったことを思い出して急いで現場へ。ところがすでに後の祭りだったようで、歴史的瞬間を見逃した気分になりました。これがこの日一日での唯一の心残りです。

開場まであたりをうろついていたのですが、ストロングゼロを囲んで語り合っている集団をいくつか発見してしまったのは大変険しかった。しかし、SSAほどのキャパともなればそんな人も居よう、と心の中で受け流すことに。

 

開場

開場して荷物を置いたら急いでフラスタを見に行きました。たくさんあるのだろうということは容易に想像できましたが、いつまで立っても列が途切れない。最終的に会場を半周以上してようやく終わりを迎えました。

 

その位置から再び入り口まで逆走してすべてのフラスタを目に焼き付けて来ましたが、一つ一つが愛に溢れていて、こんなにもたくさんの人がWake Up, Girls!を愛してくれていたんだな、と思うと涙が止まりませんでした。

 

いざアリーナへ、と歩みを進めていたところ、会場内からavexさんの広告でi☆Risの歌声が聞こえてきて、流石にファンの私でも「ブレるから止めて!」と思ってしまいました。

気を取り直して席に付き、戦闘モードへ。静かに闘志を燃やしつつ開演を待つ。そろそろ定刻か、というところでハートラインのインストVer.が流れました。ハートライン一発目という可能性も無くはないな、と思っていたのですがまさか0曲目で来るとは…!この時点でかなりテンション上がってしまい、コールを入れてしていました。そしてここからはじまるパレード。

 

開演

タチアガレ!

最初期の制服姿で登場して一発目はタチアガレ!

よく考えなくても一曲目はこれしかなかったですね。最初の「Wake Up, Girls!」コールから気合を入れて全力で叫びました。リハでは全然響かなかったコールですが、ここでは周囲からいつもどおり、いやそれ以上の圧を感じられてコレコレwwとなりました。SSAでも関係なかった。さすがワグナー。

 

16歳のアガペー

制服衣装で歌うこの曲は格別ですね。コールは「WUGちゃーん!」にしようか最後まで悩みましたが、結局いつもどおりにしました。これで最後か…と噛み締めながら。

 

7 Girls War

ツアーで完成した「まゆしい!」コールをこの場所でも響かせられて感無量でした。青山吉能さんの「涙ファー」には沸きましたね。多分生で聴いたのはこれが最初で最後になってしまったのでめちゃめちゃ嬉しかったです。ファイナルライブに臨むにあたって、一曲一曲を噛み締めて行くべきか、全力で楽しむべきか、と悩んでいたところがあったのですが、青山さんのこの歌唱を聴いた時点で心が決まりました。

全力で楽しむぞ。

多分、彼女達もそれを望んでいる。

 

ゆき模様 恋の模様

ここでこの曲もやってくれるのか…!とかなり嬉しかったです。恥ずかしながら舞台を履修できていなかったので、制服衣装とこの曲の繋がりは知りませんでした…。それを考慮すると披露するならこのタイミングしかありえませんでしたね。コーラスの響きが美しい、聴き入ってしまう名曲です。

 

言の葉青葉

この曲も制服衣装で歌わなければいけない曲でしょう。美しいコーラスが、会場内に響き渡りました。

 

ここで幕間映像でBeyond the Bottomが流れます。かなりガッツリと歌入りの音源が流れていたので、「ひょっとして歌わないのか?」と少し焦ってしまいました。

この流れで何が来るのかと思いきや、One In A Billionです。

 

One In A Billion

席位置的に見えていなかったのですが、照明がこんな事になっていたんですね。

 

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これはずるい。見えてしまっていたら確実に泣いていました。WUGバージョンはわぐりす2018で聴いたことがあったのですが、当時は正直May’nさんの力強い歌声が中心にあった原曲と比較して、物足りなさを感じていました。しかし今となっては完全に7人の曲としてもしっかりと歌いこなしていましたね。

 

素顔でKISS ME

曲が流れ始めた瞬間、一斉に赤に染まる会場。オタクの対応力の高さを実感しました。この曲では永野愛理さんのダンスを見ているのが大好きだったのですが、残念ながら私の位置からはセンターステージはかなり見づらかったです。はやく円盤で見たい。そのかわり、と言ってはなんですが、全力の「ウッ」「オイ!」をやれて気持ちよかったですね。

 

恋?で愛?で暴君です!

この曲、わぐりすらんで完全に毒されてしまって、「はいせーの、はいせーの、は~~いせ~の、はいせーの」のコールが頭から離れなくなってしまっていたんですよね。もうこの時点でめちゃくちゃ楽しくなってしまっていたのでついやってしまいました。「オレモー」のコールといい間奏でのクラップといい、終始盛り上がれるとっても楽しい曲です。

 

キャラソンメドレー

曲が流れ始めた瞬間「うわあぁぁぁ!!」とリアルに頭抱えてしまいました。キャラソン来るとは思ってなくて。

ロッコに乗って移動するメンバーに合わせてペンライトの色がどんどん変わっていくのがとってもきれいでしたね。それぞれのソロ曲が歌い終わったときにはSSAにきれいな虹が出来ていて、本当に圧巻でした。「なんだよ、こんなに簡単に虹は掛かるんじゃないか」と感慨深くなってしまいます。映像になったものを見るのが楽しみです。

 

ワグ・ズーズー

振り付けがとってもかわいいです。私の観測範囲の方は結構みなさんサビの振りコピができていて、踊りで一体になれた感じがしました。

「もし地図をなくしていても大丈夫 強く願えばたどり着けるよ不思議」

「いつも何度も思い出してね」

こんなに楽しい曲なのに、歌詞はとても心に染みます。

 

HIGAWARI PRINCESS

ついに聴けました!念願の7人バージョン!

絶対にやってくれると思っていたので、思わずガッツポーズが出ました。この曲、正直最初は全然刺さらなかったんですけど、何度も聴いているうちにいつの間にか大好きになっていました。例によってセンターステージが見づらかったので、映像を早くみたいです。

 

スキノスキル

この曲はほんとにはじめに聴いたときから大好きです。振り付けもとっても可愛いですよね。「スキノスーキール」の胸をドキドキさせているところがたまらん。ずっと田中美海さんを凝視していました。

 

僕らのフロンティア

水色→黄色の色変えは流石にツアーほど揃っていないような印象を受けましたが、水色の中に黄色が光る光景はとても幻想的で、美しかったです。

何度聴いても田中美海さんのラストのソロパートは震えます。この曲もアニメで最初に聴いたときは正直全然刺さらなかったのですが、いまとなっては大好きです。最後に聴けて本当に良かった。

 

7 Senses

公開リハーサルで「WUGちゃーん!」コールを観測して、「何それ!良い!」と思ったので叫ばせてもらいました。最後の最後までコールが進化し続けるワグナー最高です。

 

極上スマイル

高木さんがあまりにも盛大に歌詞を間違えてしまって、すべてを持っていかれました笑。位置的に全然見えなかったのですが、どんな表情をしているか目に浮かぶようで笑ってしまいました。そんなところも含めて彼女の魅力なのではないかと思います。

 

雫の冠

MEMORIAL衣装に着替えて一転、しっとりとした世界を作り上げます。ここからはもうラストスパートです。

 

少女交響曲

この曲が来るといよいよクライマックスという感じがしました。落ちサビ後の「You, Never never give up!」コールの、徐々に高まっていく感じが大好きです。曲中のコールもあんなに複雑なのに、いつもぴったり揃うワグナーが大好きです。

 

Beyond the Bottom

ついに来たか…!と思って直立不動で聴いていたところで、おや…?と思いました。ツアーで聴いたときほどの圧が無い。特に吉岡さんの歌唱から、あの魂を絞り切らしたような壮絶さが感じられませんでした。やっぱり仙台は超えられなかったか…と思っていたのですが、間奏で田中美海さんが「WUG最高~!」を放った瞬間、ハッとしました。

この歌唱は「神」として魂の叫びをぶつけているのではない。聖地SSA、I-1アリーナで、キャラクターと一緒に歌っているのだと。13000人の観客に楽しんでもらいたい、共にこのステージを「最高」のものにしたい、という想いが込められていたのだと。そう思うと、ラストのサビは聴き入るというよりも、ステージを楽しむことが出来た気がします。

 

海そしてシャッター通り

終演へのカウントダウン。新曲4曲が発表されたときから、ラストライブのこの場所にぶつけてきてくれると信じていました。仙台で披露されたときよりは冷静に聴けていたような気がします。

 

言葉の結晶

組曲として連続での歌唱となってしまったことで、あの表現力豊かな青山さんが、感情をゼロにして言う「聴いてください、言葉の結晶」が聞けなかったのは残念でした。それでも曲の頭、第一声が放たれた瞬間から世界が変わります。7人それぞれを照らし出す照明の演出。これまでのどの曲とも違う、凍りついたような歌声。曲調からは想像もつかなかった、静と動とを目まぐるしく行き来する壮絶なダンス。SSAの音響で響き渡る鼓動の音。そのすべてが全身に深く響き渡りました。

 

土曜日のフライト

ファイナル前の予習として、私はこの曲の歌詞を噛みしめることに最も時間を割いてライブに望みました。3月9日以降の彼女たちを歌ったかのような歌詞。今日、この場所でこの曲を歌うことにはとても大きな意味を感じました。

ここで放たれた田中美海さんの、感情のすべてを爆発させたかのような歌唱。ここまで全力でライブを楽しんできて、このタイミングまでほとんど泣かずにいたのですが、この歌唱を聴いた瞬間、涙が止まりませんでした。あれだけ自らの内側をさらけ出すことを避けてきた彼女が、仙台公演で漏らした「感情を歌にのせるのが苦手だ」というコンプレックス。その殻を完全に破り去り、「次のステージ」へと羽ばたいた彼女の歌声は、心の奥底まで響き渡りました。

 

さようならのパレード

フィナーレに相応しいこの曲で締めくくります。なんとか泣かずに聴けるように、と当日無限リピートして心を鍛えていたのですが、やはりだめでした。間奏で挟まれるWake Up, Girls!コール。一人ずつ終演の礼をして去っていく彼女たちを見送る拍手。Wake Up !のコールは、結局最後までは涙声でしか言えませんでした。

 

ステージから去っていく彼女たちを見送ったあと、休むこと無く「Wake Up, Girls!」のコールをはじめました。演者の表現の場であるライブに置いて、唯一観客が、ワグナーが主役となるのがこの時間。ありったけの力でコールを続けました。SSAというこの広い会場においても「Wake Up, Girls!」のコールは全く乱れることがありません。会場の心は完全に一つになっていました。

 

やがて照明の落ちたステージに何かが運び込まれてきました。

「イス」です。

この瞬間の胸の高まりと言ったらなかった。聴けずにずっと後悔していた、未練が残っていたあの曲が来る…!そしてWUGちゃん達が登場します。メンバーカラーのストライプ・水玉の衣装を身にまとい。そして流れ出す音楽。気分は最高潮です。

 

SHIFT

報われた。

報われた、と思いました。聴けなかったとは言っても一度生で聞いたことがありました。ANIMAX MUSIX 2018 YOKOHAMA。この当時、WUGの曲はそこそこ聴いてきたつもりでしたが、この曲は抜け落ちていました。結果的にラストシングルとなった、「スキノスキル」の「カップリング曲」。普通に考えたらフェスでやるような曲ではありません。この曲を知っていて、コールまで完璧に入れられるのは、ツアーに参加したワグナーだけだったはずです。それなのに、あの横浜アリーナの会場で、その日一番のコールが会場中に響き渡っていました。ワグナーに、してやられた。「畜生、お前らたちだけ楽しみやがって!」とものすごく悔しい思いをさせられたのです。

そんな想いもここに来てついに報われました。こんなのテンション上がるしか無い。セトリに入れてくれてありがとう!全力でコールを入れて、夢中ではしゃぎ回りました。これでもう悔いはない。

 

地下鉄ラビリンス

SHIFTが来たということは、絶対にやってくれると思いました。トロッコに乗って、地下鉄ラビリンス。SSAの地が、一気にHOMEになりました。WUGちゃんたちとの全力のラップバトル。こんなに楽しい空間はありません。SSAで初めてWUGのライブを見た方は、ここで「してやられた」のではないでしょうか。

こんなに楽しい時間もこれで最後。

 

TUNAGO

アンコールの最後にこの曲を持ってくることに、彼女たちが背負ってきたものの大きさを、彼女たちの意志を感じました。彼女たちが繋いできてくれた思いを、これからも引き継いでいかなければなりません。

 

WUGちゃんからワグナーへの手紙

ダブルアンコールの後、そしてWUGちゃんからワグナーへ手紙が送られます。全文がファミ通さんの記事にて公開されています。

 

www.famitsu.com

 

高木美佑さん

出だしからありがとうの連呼。これは流石にずるいです。もう涙が止まりません。

WUGを見つけてくれてありがとう

この言葉にとても重みを感じます。もう少し早く見つけたかった。でも、最後に間に合ってよかった。

 

山下七海さん

最後の最後にワグナーへ向けてのお手紙、という場でもななみんワールドは健在でした。それを笑いながら、半分泣きながら読む山下さん。あまりに愛おしくて言葉になりません。

 

田中美海さん

初めは元気よく読んでいましたが、途中、涙がこらえられなくなっていたところで、やはりもらい泣きしてしまいます。

最初は全然出来なかった、歌って踊るということ。いまでは武器にもなっていると思います。

武器になっているどころではありません。彼女のパフォーマンスはすでに他を寄せ付けない、圧倒的なものになっています。

私を信じて、ついてきてください!

との言葉。「一生ついていきます!」と心の中で誓ってしまいました。

 

吉岡茉祐さん

自分が死ぬわけじゃないのに、ひとりの人格がなくなる感覚。

私達にとってもWUGの解散はとてもつらいですが、彼女たちにとってのそれとは比にならないでしょう。キャラクターと共に歩んできた6年間。これからはそれぞれ別々に、一人の人間として歩んでいかなければなりません。

忘れないで。ここにWUGがいたことを。

そして、みんなの中でWUGという存在が、

ずっと先の何億光年も輝ける想い出になってくれていれば、

物語は続いていきます。

7人の物語はここで終わってしまうけれど、その軌跡は私達の、彼女たちの心の中でいつまでも輝き続けます。そして、その想い出がこれからの彼女たちの道を切り拓いていくのです。

 

永野愛理さん

いま気づかれなくてもいい。

5年でも、10年でも、20年先でも、

WUGってすごいグループだったと言ってもらえる自信があります。

彼女はなんてことを言うのでしょう。解散が発表されてからノンストップで駆け抜けたファイナルツアー。その過程で最高を更新し続け、最後にこのSSAの地に立ってなお、こんな言葉が出て来る。彼女たちの歩んできた道のりがいかに険しいものであったか、それが表れた言葉なんだと思います。

ごめんね、いままで見つけられなくて。

こんなにすごいグループ、今まで出会ったことがありません。

これから先も、きっと出会うことはありません。

 

奥野香耶さん

岩手県から来ました、奥野香耶です!」

その瞬間、審査員全員のペンが動いた。

「ワグナーへの手紙」としての最初の文章がこれです。一気に彼女の世界に引き込まれました。そんな出だしから、メンバーひとりひとりに対してコメントをしていく流れ。「来るぞ…来るぞ…」と思っていたら、やっぱり青山さんがオチに使われる。

彼女にはかないません。底が知れない、唯一無二の世界観を持った方だと思いました。

 

青山吉能さん

私はWake Up, Girls!というグループ全体に、「儚い」という感情を抱いてしまうのですが、青山さんは特にそれを強く感じさせるものがあります。

いつしか、WUGちゃんもワグナーも、

私にとって家族で、HOMEになっていきました。

WUGちゃんだけでなく、ワグナーさえも「家族」であると言った彼女。その家族と一緒に過ごす時間も今日限りです。

みんなの人生も、明日から第2章です。

それぞれの道を歩んでいく7人。私達も、前を向いて進んで行かなければなりません。

 

そしてダブルアンコール最後の曲へ続きます。

 

Polaris

数ある曲の中でも、やはりこの曲は特別です。

SSA直前のあるラジオ番組内*2にて、曲中、7人が円になって踊る振り付けに込められた想いについて語られました。観客に背を向けてメンバー同士見つめ合い、7人だけの世界がそこに出来上がる。私は、WUGちゃん7人が集まったとき、そこに作り上げられる世界観に得も言われぬ儚さを感じます。メンバーの間で交わされる、何気ない日常のやり取り一つ一つが、とてつもなく愛おしい。自分の孫を見ているような感じ、というのとも違う、もっとずっと尊い。例えば、身寄りのない少女達が当てもなくさまよい続けた結果、一つの場所に身を寄せ合い、互いに支え合いながらなんとか生き延びていく様を見ているような、そんな儚さを感じずにはいられないのです。だから、「なんとか支えてあげたい」「この子達が幸せになってほしい」「応援したい」という気持ちが心の底から湧き上がってきます。

Polaris曲中のこの円になる振り付けを見ていると、その世界観を強く感じます。「どうかこの7人が、いつまでも幸せでありますように。」

7人だけのものであった、この優しい世界はやがて、観客席にまで広がるようになっていました。7人が一列に並び、肩を組んで合唱する。私の隣だった男性客に目配せをすると、満開の笑顔で肩組みに応じてくれました。そうすると、逆側にいた女性客も、極上の笑顔でこちらに合図。そして観客も一緒になって大合唱。ああ、なんて幸せなんだ。この時間がいつまでも続けばいいのに。

 

曲が終わり、7人が去っていく。

観客席からは、鳴り止まぬ「Wake Up, Girls!」の声。これが本当に最後になる。ありったけの力で彼女たちを呼び続けました。

そして再び舞台に火が灯ります。

 

タチアガレ!

これが本当に、最後の曲。タチアガレ!で始まり、タチアガレ!で終わる。7人の始まりであり、終わりの歌。ただがむしゃらに、叫び続けました。

 

終演後

ライブが終わったら、どんな気持ちになっているだろう、と思っていました。

楽しかった。

楽しかった、という気持ちだけが残りました。なんてきれいな最後だったのだろう。彼女たちの勇姿を、笑顔で送り届ける事ができました。

 

ライブ後、Wake Up, Girls!として、最後の7人によるお見送り回がありました。

私達が見送られるのか、7人が見送られるのか。

最後になんと言葉を掛ければよいだろうか。

とにかく、ライブは最高に楽しかった。

気持ちがまとまらぬまま、彼女たちと対面しました。皆一様に、目に涙を浮かべていました。そうか。そりゃそうだよな。ステージの上ではあれだけ楽しそうにしていたけれども、最後のライブなのだ。悲しくないわけないじゃないか。

その表情を見た瞬間、言葉は一つしか出てきませんでした。

「ありがとう」

最高の笑顔を、感動を、想い出をありがとう。

 

そうしてしんみりとした気持ちでお別れをしようと思ったのですが、最後に待ち受けていた高木さんだけは、めちゃくちゃ笑顔で、こちらにブンブン両手で手を振ってくれました。なんだったら飛び跳ねていたような気もします。彼女だって絶対に泣きたかったはずなのに、最後は笑顔で見送らなきゃ!なんて思ってくれたのでしょうか。強い。本当に強い人だなと思いました。これからも彼女の笑顔は多くのひとを救っていくのでしょう。

 

本当に本当に、きれいな最後でした。どれだけ語り尽くしても足りない、辛い道のりを歩んできた彼女たちですが、最後はハッピーエンドで終われました。

 

これから私達も、人生第2章。前を向いて、進んで行かなければなりません。

この心の傷が癒えるのには、もう少し時間がかかりそうです。

 

 

*1:ANIMAX MUSIX 2018 YOKOHAMA

*2:3月6日 A&G NEXT BREAKS 田中美海FIVE STARS おまけ放送

Wake Up, Girls!を忘れない

2019年2月23、24日、Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME -仙台公演で初めてWUGちゃんの全力のライブを正面からまともに受け止めた。その結果、心の真ん中に二度と消えない傷を負うことになった。

 

 

WUGちゃんたちを初めて見たのはBSで放送されていたアニサマ2017の映像で、衝撃を受けたのを覚えている。BtB衣装に身を包んで歌い、舞い踊る彼女らの姿があまりに神々しくて、美しくて、可愛らしくて。そしてなんと言っても歌がめちゃくちゃうまい!当時アニメオタクではあったものの中の人にはほとんど興味が持てず、ゴリゴリの在宅であった私が声優オタクになったきっかけは間違いなく彼女達だった。私も会場で「オレモー!」ってやりたい! 生で見てみたい!

 

その後在宅らしくチケットのとり方もよくわからないまま、なんとか情報を手に入れたわぐりす2018に参加。ライブというものに参加するの自体初めてだったがWUGもi☆Risも素晴らしくて、両方単独ライブに行ってみたい!となり。その時ツアー情報が出ていたi☆Risのライブに参加。もともとプリパラのオタクだった私はi☆Risにハマって行くことになるのだがそれは置いておいて。WUGちゃんの単独にも行きたいと思っていたがツアーの情報はそのとき出ていなくて、Green Leaves Fesというものがあるらしいがよくわからないしいいか、と思って参加せず(後悔)。その後突然の解散発表。

 

そこで覚悟を決めればよかったのだが当時の私にはそれができず(最大の後悔)、結局HOMEツアーで参加できたのは、立ち見席の追加販売でなんとか滑り込めた横須賀昼公演と仙台千秋楽の4公演のみだった。WUGのライブはどの席も神席!と言っている方もいて、その気持ちも分かるが正直横須賀5階立ち見席ではWUGちゃんの魅力をきちんと受け止められたとは言えなかった。(それでも光る剣を振り回す演出や、ワグナーのコールのデカさと揃いよう、歌声の表現力の高さに驚きはしたが)そうしてきちんと正面からWUGのライブを受け止められるのは仙台公演が初めてということになった。

 

 

オタクになってからはじめての”遠征”が仙台となった。私は実家が仙台なので遠征とは言えないかもしれないが。仙台に住んでいたのにどうしてWUGを追いかけていなかったのか、後悔の念を抱きながら迎えた公演。あまりに衝撃的だった。公演中、なぜなのかわからないまま、ほとんどずっと泣いていた。

 

はじめに涙腺にスイッチが入ったのが「素顔でKISS ME」であいちゃんのダンスを見ていたとき。ダンスがうまいとは聞いていたが想像をはるかに超えていた。人のダンスを見ていて涙が出てくるというのははじめての経験だった。

その後WUGちゃんにも、ワグナーにも泣かされっぱなしだった。

7GW、噂で聞くだけの存在だったまゆしぃコールの揃いよう。

言の葉青葉のハーモニーの美しさ。まゆしぃソロで鳥肌。

僕らのフロンティアサイリウムチェンジ芸の完璧さ。

海そしてシャッター通り。仙台で披露されたことの文脈も相まって、風景が次々脳裏に浮かんできて、涙が止まらなかった。

そしてBeyond the Bottom。これが最も衝撃的だった。全メンバー他の曲とはまるで雰囲気が違う。アニサマ2017の映像を見たときとは全く別の衝撃。なんといってもまゆしぃの魂の叫び。歌とダンスでここまで表現できるものなのか。サイリウムを降る手は完全に動きを止め、ただ立ち尽くして涙を流すことしか出来なかった。Wake Up, Girls!というグループを舐めていた。ただの「声優アイドルユニット」という存在をあまりに超越していた。これが多くてもあと4回しか見られないのか。今まで彼女らの活動を追ってこなかったことを心から後悔した。

 

完全にメンタルがボロボロになっていたところにアンコール後の地下鉄ラビリンス。こんなに楽しい曲はなかった。振り付けの可愛らしさ。コールの楽しさ。WUGちゃんとの全力のラップバトル。客席ゼロ距離まで全力ダッシュで駆けつけてくれるWUGちゃん。楽しかった。心の底から楽しかった。

 

最後の極上スマイルもタイトル通り極上のスマイルになれた。あんなにボロボロになっていたのに公演が終わると「楽しかった」という感想しか出てこない。2時間半あまりの間でこんなに感情が揺さぶられた経験はなかった。

 

 

WUGのライブはこんなにもすごいのか、と終演後にTwitterを巡回していたら「BtBの吉岡茉祐、天井知らずすぎる」などの声が。どうやら私が見たのはファイナルツアーを経て急成長し、最強になったWake Up, Girls!だったらしい。初めてまともに受け止めたライブがWUGの完全究極体だった私は灰になるしかなかった。

 

一日目終了後、実家に泊まった私は母親に少しだけWake Up, Girls!の話をした。母は全くオタクではなく、私も今まで家でアニメや声優の話など一度もしたことがなかった。でもどうしても伝えたかった。こんなにすごいユニットがあるのだということを。

 

 

ライブの興奮であまり眠れぬまま次の日を迎えた。ファイナル含め残り3回しか無いライブに自分の持てる全てを出そうと望んだ。

 

セトリはほとんど変わらないのにいくらでも興奮できる。昨日と同じところで、全く別のところで涙が出てくる。何度でも見ていたいライブだと思った。

 

そして昼の部のMC。「楽しかった」と言いながら天を仰ぎ涙する田中美海さん。そして「SSAに来られなくて今日が最後だっている人?」と問いかける奥野香耶さん。まばらに上がる手。ここでもう限界だった。Wake Up, Girls!は終わりを迎えてしまう。変えようのない事実を突きつけられ、受け止めきれず、涙がとまらない。これでまだ昼公演なのか。悲しい気持ちを消化しきれぬまま、夜公演を迎えた。

 

はじめのMCで田中美海さんだったか。(このタイミングだったかも記憶が曖昧だが)「SSAはエキストラステージ。ここがファイナルという気持ちでやる。」といったようなことを言っていた。WUGちゃん達もワグナーも覚悟が決まったのか、夜公演はただただ楽しかった。本当に楽しかった。WUGちゃんとワグナーとの一体感、混じり具合(うまく言葉にできない)も、この公演では別次元だった。

 

ハートラインDメロ部分。本来はよっぴーとまゆしぃのソロパートで「よーっぴー!」「まーゆしぃ!」となるところでWUGちゃん全員が肩を組んで合唱。それに合わせてワグナーは「わーぐちゃん!」の大声援。

さようならのパレード、間奏部分で自然発生する「Wake Up, Girls!」コール。

タチアガレ!のサイリウム企画が決まり涙ぐむよっぴー。

そしてアンコール終了後、客電がついても鳴り止まない「Wake Up, Girls!」コール。恐らく予定になかったであろうダブルアンコールでの7GWでは、間違いなく人生で一番のコールをワグナー全員が叫んでいた。SSAはエキストラステージ。本当のラストステージはここなのだ。そんな思いが会場全体を一体にし、そこには最高としか言いようがない空間があった。オタクはよく「優勝!」と言うが、この空間は間違いなく優勝そのものだった。

 

終演後、WUGちゃん達がステージから去ってしまうと、ワグナー同士で「ありがとう!」と互いを称え合う。あれほど悲しかった昼公演後の気持ちが嘘のように、最高!という気持ちだけが心を満たした。

 

MCで吉岡茉祐さんが「ぜってー忘れさせねえからな!」と言った。忘れるわけがない。こんな経験、人生でもう二度と味わうことは無い。

 

ライブを終えると、楽しかった反動で急激に悲しくなり、WUGのことが心から離れなくなってしまった。不意にライブのことを思い出して涙が出てくる。ワグナーのブログやコメントを見て涙が出てくる。あと一回しか見られない。解散する事実は変えようがない。最初にまともに受け止めたのが”あの”仙台公演だったことはあまりにもダメージが大きすぎた。

 

 

「エキストラステージ」であるSSA公演も最高のものだった。WUGちゃん達は今持てる全てをあの大舞台で出してくれた。「感情を歌にのせるのが苦手」と言った(私の推しである)田中美海さんの、この日の土曜日のフライトは感情の塊だった。セットリストが完璧だった。最後のパレードを最高の形で飾ってくれた。それでも、私の心に一番大きな傷を残したのは仙台の千秋楽公演だった。

 

私はWake Up, Girls!を、あの仙台千秋楽公演を、決して忘れない。